| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-51  (Poster presentation)

ファンシーラットの跳躍実験【A】
Experiments what affect on jumping behavior for fancy rats【A】

*日野龍之介, 川瀬可奈, 川瀬由奈(青稜中学校)
*Ryunosuke HINO, Kana KAWASE, Yuna KAWASE(Seiryo Junior High School)

生物は地面に対して垂直方向に跳ぶ「縦跳び」や、水平方向に跳ぶ「横跳び」を行う。例えば、ネザーランドドワーフという品種のウサギは、2mほど横跳びする事が可能で、70cmほど縦跳びすることが可能である。しかし、ファンシーラット(家畜化されたドブネズミ)の様に小さな足を持つ動物がどのくらい跳べるのか、またラットの横跳び・縦跳びには何が影響しているのかはまだ実験されていない。本研究では、飼育下にあるラットが縦跳び・横跳びによって跳べる高さや距離を調べることを目的とした。
まず横跳びは、同じ高さの2つの台を用意し、一方に空腹状態のラット、もう一方にラットが普段食べている、小麦やひまわりの種などが混ざった餌を置き、台の間の距離を徐々に離して、2つの台の間の距離をそのラットが横跳びした距離としてどこまで跳べるのかを測った。次に縦跳びはラットを地面に置き、台を徐々に積み重ねて台上に餌を置き、ラットが跳べた台の高さをラットが縦跳びした距離として、どこまで跳べるのかを測った。時間制限はどちらも一回跳ぶのに20分を設け、その間に一度でも挑戦したらまた測り直す事とする。また、5分の間にラットが行動を起こさなかった場合、台上にブルーベリーを追加した。
この実験の結果、実験に用いた個体では縦跳びは最高50cmまで跳ぶことができて、横跳びは最長60cmまで跳ぶことができる事が分かった。また、横跳びは時間制限の為なかなか実験が進まなかった。実験に用いた個体は、生後約1年の個体で、体長25cm体重514gである。
今後、ラットの縦跳びに関しては、一度68cmでの計測を試みたが跳ぶことができていなかったので、50cmと68cmの間で実験を行いたい。また、個体間の差異を検証するために他のラットを用いた実験も望まれる。他の個体は比較的小柄で若い個体が多い為、他の個体の実験結果は今回実験した個体より跳ぶ距離が短くなる事が予想される。


日本生態学会