| 要旨トップ | ESJ70 フォーラム 一覧 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


フォーラム U03  3月19日 16:30-18:00 Room F

転換契約って何? 日本のOpenScienceの推進と学会誌の転換【B】
Read & Publish! Promoting OpenScience in Japan and Transformative Journals【B】

久米篤(九州大学)
Atsushi KUME(Kyushu University)

転換契約(Transformative Agreements)は、大学図書館あるいは研究機関から出版社に対して行われる支払いを、購読料からOA出版料に「転換」することを意図した契約の総称です。基本的な考え方は、出版社に支払っている学術雑誌の購読料をOA出版費に転換すれば、全ての論文を即座にOAで出版することができる、というドイツのマックスプランクデジタルライブラリによって2015年4月に発表された試算結果に基づいています。この主張に基づき、OAイニシアティブであるOA2020が発足し、日本を含む主要国が転換契約に向けた活動を開始しました。昨年4月、 東北大学,東京工業大学,総合研究大学院大学,東京理科大学の4大学とWiley社は,2024年12月までの電子ジャーナル転換契約パイロットプロジェクトを開始し、国内学術出版関係者に大きな反響を呼んでいます。今回の契約では、転換契約した大学の研究者は、Wiley社からのOA論文出版費が大学によって支払われます。しかし、契約していない大学や研究機関の研究者はそのような恩恵を受けることができません。OA出版された論文の引用数はより多くなる傾向があるため、若手研究者にとっては、将来的なキャリア形成にも影響する可能性があります。
 日本生態学会が学術団体として独立した出版活動を継続し、学会員の研究発表の場を維持していくためには、英文誌出版の将来についての検討と戦略の策定が必要な状況にあります。本フォーラムは、生態学会の英文誌出版状況を会員の皆さまに説明し、現状を踏まえた、将来に向けた幅広い議論を行うことを目的としています。

[U03-1]
生態学会英文誌3誌におけるOA論文出版の推進 久米 篤 (九州大学, 出版担当理事)
Promotion of OA publication in three journals of the Ecological Society of Japan KUME, Atsushi (Kyushu Univ)

[U03-2]
転換契約の意義と日本の大学における現状 アリス ウッド(ワイリー&サンズ オーストラリア)
Transformative Agreement and the current state of Japanese Universities Alice Wood (Associate Director, OA Business Development Open Research, John Wiley & Sons Australia Ltd)

[U03-3]
転換契約したら何が変わったか? 東北大学の例 陶山佳久 (東北大学、前ER編集長)
What changed after the Transformative Agreement? A Case of Tohoku University Yoshihisa Suyama (Tohoku University)


日本生態学会