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一般講演 P1-013

酒匂川水系(神奈川県)におけるヒゲナガカワトビケラ(Stenopsyche marmorata)個体群の遺伝的構造

*林 義雄(大阪府大院・理),谷田一三(大阪府大院・理)

ミトコンドリアDNAのCOI領域を対象としたPCR-SSCP法により,ヒゲナガカワトビケラ個体群の遺伝的構造を調査した.酒匂川(神奈川県)の11地点から採取した330個体から,5つのSSCP型が認められた.これらのSSCP型頻度は,三保ダムを境界として、上流と下流で明白に異なっていた.さらに,SSCP型頻度は,上流の支流間でも異なっていた.遺伝的多様性は,下流の個体群より上流の個体群の方が高かった.これらの結果は,三保ダムがヒゲナガカワトビケラの移動に対し,大きな障壁となっていることを示唆している.また、PCR-SSCP法は,今回のような多数の試料を扱う遺伝子分析において非常に効果的であった.

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