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一般講演 P1-150

伊豆大島における伊豆諸島固有種サクユリの分布

*菊地哲理,倉本宣(明治大・農)

サクユリLilium auratum var. platyphyllum Bakerは伊豆諸島のみに分布するユリである。ユリの自生地では個体の折損や乱獲が問題視されており、本種についても自生個体数が利島と御蔵島以外では減少しているという情報がある。伊豆大島を管轄する東京都が発行した、「東京都の保護上重要な野生生物種1998年度版(都版レッドデータブック)」では、地域固有の植物であることから、Aランク(環境庁のレッドデータブックでは絶滅危惧I類に相当)に分類されている。しかし、本州に生育する近縁の他種では研究例があるものの、サクユリの生態の解明を目的に行われた研究がなく、自生地の伊豆諸島における詳細な情報は、分布状況をはじめとして不明である。

そこで本研究では、伊豆大島に生育する自生個体の分布状況を把握し、生育と分布に影響する環境要因を解明することで、自生地において本種の分布特性を明らかにすることを目的とした。

対象地は伊豆大島の中でも本種の個体が多く観察された三原山外輪山の内側とし、2006年5月〜11月にかけて踏査した。踏査時に自生個体の分布状況を目視で確認し、縮尺1:25000の地形図に記録した。また、GPSを用いて個体の位置の座標データを記録すると同時に、個体数も記録した。これらの調査の結果から、本発表では自生地における本種の分布特性を考察する。

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