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一般講演 P3-007

離島産アカネズミの寄生線虫相をGISと多変量解析により眺める(予報)

坂田金正1,金子正美2,横畑泰志3,長 雄一4,*浅川満彦1(1酪農大・獣医,2同・環境システム,3富山大・理,4北海道環境科学研究センター)

島に隔離された動物の内部寄生虫相はどのような変化を辿るのだろう.今回,アカネズミApodemus speciosusの線虫をモデルに探った.このモデルを用いた理由は、すでに同様な先行研究が本島で展開され、その応用が可能と予想されたからである(浅川, 1995).対象とした離島群は利尻,奥尻,佐渡,能登島,知夫里島,隠岐西ノ島,隠岐中ノ島,島後,壱岐,福江島,上対馬,下対馬,淡路島,国後,伊豆大島,新島,式根島,神津島,三宅島,下甑島,種子島,屋久島,口永良部島,口之島,トカラ中之島で,これらで記録された線虫16種の分布解析を行った.解析では地理情報システム(GIS)による島の面積・気候,本島からの距離などとの関連性からの分布パターンを考察し,多変量解析を用いた線虫相の類似度を比較した.詳細はそれぞれ鈴木(後述)および横畑らが別に報告するので,本示説ではその中間報告に留めたい.本研究は坂田が酪農学園大学大学院獣医学研究科に提出した博士号学位申請論文の考察部であり,その解析では文科省科研費(18510205)および環境省環境技術開発等推進事業費「病原体データベースの構築」の助成を受け実施した.なお,本学会登録後,EnVision鈴木 透が共同研究者に加わった.文献 浅川満彦 (1995): 日本列島産野ネズミ類に見られる寄生線虫相の生物地理学的研究ー特にヘリグモソームム科線虫の由来と変遷に着目して. 酪農学園大学紀要, 自然科学, 19: 285-379.

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