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公募シンポジウム S08

植物生態学のための山地地形の扱い方.

企画者:若松伸彦(横浜国大・院・環境情報) 川西基博(立正大・ORC)

植物の生態やその分布を理解するには,環境要因の一つとして生育立地の成り立ちや性格といった地形に対する認識が不可欠である.地形地質環境が植生に与える影響には,風,気温,積雪分布といった微気候,栄養塩,水環境を通じてもたらされる間接的な影響と,地形形成プロセスでもある物質の移動が植物に撹乱を及ぼす直接的な影響がある.地形が複雑な山地では,地形が植物に及ぼす作用が大きく,特に直接的な影響を正しく理解する必要性が高い.しかし,生態学研究においては丘陵地の地形に対する考え方をそのまま山地に当てはめることが多く,地形的要因との因果関係を十分に説明していないと考えられる.こうした問題を打開するためには,地形学の成果に基づいて山地と丘陵地の共通点および相違点を留意し,山地地形を成因から理解することが不可欠である.

本シンポジウムでは,植物に及ぼす山地地形の影響に関する研究を紹介し,さらに地形−植生を総合的に理解するためには,どのような点に着目し山地斜面の地形を扱うべきかを地形学サイドからの発言を得て討議する.

日本生態学会