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ESJ58 企画集会 T18
3月11日 14:15-16:15 D 会場

そんなに閾(しきい)は高くない!:生態系管理における生態学的閾値の応用と課題

企画者: 岩崎雄一, 古川拓哉


生態系管理を効果的に実施するには,着目する環境変動や撹乱に対する生物・生態系の応答を把握することが必要である。これらの研究では,しばしば閾値応答が観察されることがある(例:ある攪乱強度まで着目する生態的パラメ-タがほとんど変化せず,その後急激に変化する)。この閾値は生態学的閾値と呼ばれ,その同定は人にとって望ましくない変化(例:生物多様性や生態系機能の低下)を未然に防ぐ上で,またそのような変化が起こった生態系の修復を実施する上でも非常に有益な情報となりうる。

他方,「そもそも閾値なんてあるんかいな?」という素朴な疑問は常についてまわる。着目する要因以外の影響により,見かけの閾値応答が観察された場合,その閾値を管理に利用することは予防的とはいえないだろう。また,湖沼や森林,草地などにおいて,人為的な影響による生態系の急激かつ不可逆な変化(レジ-ムシフト)が起こることが指摘されており,観測された閾値が可逆あるいは不可逆的な変化をもたらすものかを見極めることも有用である。本集会では,閾値応答が観測された事例研究(理論研究を含む)を紹介し,研究及び実際の管理に用いる上での閾値の解釈及び注意事項について議論したい。

コメンテ-タ:伊藤洋(国環研),富松裕(東北大)

[T18-1] 趣旨説明:閾値って生態系管理に役立つの? *岩崎雄一(東工大・理工),古川拓哉(横浜国大・環境情報),森章(横浜国大・環境情報)

[T18-2] 水圏で閾値な話:数理モデルによる生態学的閾値の導出 瀬戸繭美

[T18-3] 森林で閾値な話:強度の薪利用が引き起こす植生の閾値的変化とその管理 *古川拓哉(横浜国大・環境情報), 藤原一繪(横浜市大・生命ナノ), Samuel K. Kiboi, Patrick B. Chalo Mutiso(University of Nairobi)

[T18-4] 草原で閾値な話:生態学的閾値の定義とその応用および今後の展望 佐々木雄大(東北大・院・生命)


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