| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-049

タマリスク天然生林の塩分動態について

*田村悠旭(乾燥地研究センター),安暁亮,張文軍,玉井重信,山中典和

内蒙古黄河中流域にある大規模農地では過灌漑によって塩類集積が発生しており、農地を再利用するためには、土壌の改善が必要である。最近では、樹木を使って地下水位を低下させ、また土壌中塩分を減少させる方法が考えられている。この時、利用する樹木は、耐塩性と冠水耐性を備えた樹木であり、かつ自生種である必要がある。そこで中国の塩類集積地の改善に利用する樹木として、上記の特性を備えたタマリスクが考えられている。タマリスクを用いるためには、まずタマリスクの生理生態調査が必要となる。その中で、実際にタマリスクを緑化に用いた時にタマリスクが有効かどうかを判断するために、タマリスク個体内の塩類蓄積量、タマリスクから排出される塩分量、土壌中の塩分量を調査し、タマリスク林の塩分動態を把握する必要がある。そこで、本研究ではタマリスク天然生林の塩分動態を調査する。

本研究は、中国内蒙古自治区達拉特旗にあるタマリスク天然生林で行った。この林内で5×5mプロットを4区設定し、プロット付近で土壌EC、地温、土壌水分、地下水位を測定した。そして、林分内の土壌中塩分量、植物個体中塩分量、落葉中塩分量、分泌塩分の落下量、降雨による葉の洗浄に伴う塩分落下量を調査する。これらの塩分量を把握し、タマリスク天然生林の塩分動態を調査する。

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