| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-247

オオムカシハナバチの雄間闘争での体サイズへの温度の影響

*楢崎裕美(九州大・理・生態),粕谷英一(九州大・理・生態)

オオムカシハナバチColletes perforatorのような土中に営巣する単独性のハチでは、オスが先に羽化することが多く、オスが巣穴の出口付近で羽化して出てくるメスを待ち構えて交尾するという交尾様式が見られる。その際に、1個体のメスに複数のオスが集まって団子状の塊を形成して争うことがある。このような物理的接触を伴う激しい雄間闘争では、体サイズが大きいオスほど有利で高い交尾成功を得ると考えられている。

また、体サイズが大きいほど体内の熱が放熱しにくいので発生した熱が蓄積されやすく体が冷えるのが遅くなり早く活動に十分な状態になることができる。外温性動物の体温は環境の温度に左右される。そのため気温の低い中で活動するために、日光浴をしたり体を震わせたりして十分に体温を上げていると言われる昆虫もいるように、活動は温度に依存している。

本研究では、繁殖期が低温度下の秋にあるオオムカシハナバチについて、雄間闘争での体サイズに温度が及ぼす影響について考察する。

日本生態学会