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自由集会 W19

植物生態学のための地形の扱い方−木本植物の生活史と地形のスケール−

企画者: 若松伸彦(東京農大・地域環境), 川西基博(立正大・ORC)

木本植物は種子の発芽から成木,そして枯死するまでの生活史の中で,時間,空間スケールの異なる様々な現象の影響を受ける.発芽直後の実生や稚樹の段階では,その生育は微細なものから大きなものまで様々な現象の影響をうけるが,成長するにしたがって小さなスケールの現象よりも大きなスケールの現象によって主に影響を受けることとなる.同じ立地であっても,生活史のどの段階にあるかによって生育規制要因が異なっており,なぜそこにその植物種が分布するのかを理解するためには,その立地がもつ環境要因をスケールごとに整理して理解しなければならない.特に,植物の生育基盤である地形の適切な観察,記載を行い,同じ空間内に存在する様々なスケールの地形を複合的に整理することが必要不可欠である.

当自由集会では,植物の生活史と地形スケールとの関係に着目した研究を紹介し,生活史の各段階における環境要因が,どのスケールの地形現象によってもたらされるのか,またそれを統括して理解していくにはどのような点に注意を払うべきかを検討する.

栗駒山オオシラビソ小林分の更新パターンと分布規定要因 若松伸彦(東京農大・地域環境)

絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの立地環境 永松大(鳥取大・地域)

樹木の定着および成長と立地環境の空間スケール −照葉樹林と人工林の事例から− 伊藤哲(宮崎大・農)

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