| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(口頭発表) K2-05

種子食昆虫による発芽援助:その一般性および種子サイズ・食害度との関係

*津田みどり(九大院・農),S. Buranapanichpan(Chiang Mai Univ.), Z. Basky(Plant Prot. Inst., HAS)

種子捕食者は植物の動態に大きな影響を及ぼしうる。なかでも散布前捕食者(pre-dispersal seed predator)は、散布後捕食者より、植物の適応度をより損なうと考えられている。特にspecialistの捕食者はさまざまな植物防御に対して対抗適応しやすいだろう。本研究では種子発芽に注目し、マメ科種子とこれに特化した散布前捕食者であるマメゾウムシの間の形態的相互関係を明らかにするため、次の仮説を検証する。

1. 種子の硬さ:硬いほど捕食されにくい。しかし発芽はより困難。

2. 種子サイズ:大きいほど発芽しやすい。しかし捕食者にも選好されやすい。

3. 中程度の種子サイズまたは硬さが、最も発芽に貢献する。

4. 種子発芽は、種子の食害の程度に依存する。

対象とするマメ科は亜熱帯産および温帯産の39種である。得られた実験結果を、JanzenやJohnsonが提示した定説と比較し考察する。


日本生態学会