| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PA2-562

イチジクコバチの性比に他種(寄生種)が与える影響

木下智章(佐賀大・農),Jaco Greeff(Univ. of Pretoria)

イチジクコバチの寄生種には、イチジクの花のうの外から産卵する種、ポリネーター種と同様に花のうの中に入り産卵する種が存在する。また、それぞれに、ポリネーター種より前に産卵する種、後に産卵する種が存在する。

いずれの種についても、ポリネーター種の卵または幼虫を食べているのか、授粉された子房を利用しているだけなのかはまだ明らかになっていない。しかし、ポリネーター種の子の数に影響を与えるのは明らかで、性比についても外から寄生する種がポリネーター種の性比を偏らせるという報告が1例ある。また、ポリネーター種において、先に産卵する同種のメスがいることで産卵数が制限され、後で産卵するメスの性比がオスに偏ることもわかっている。そのため、同様に、先に寄生種が産卵することで、直接捕食などにより子の数を減らされることがなくても、産卵数が減少しポリネーター種の性比が偏ることも考えられる。

今回は、南アフリカにおいて、2種のイチジクそれぞれのポリネーター種2種と、それにつくポリネーター種より後に花のうの外から産卵する寄生種とポリネーター種より前に花のうの中で産卵する寄生種を利用し、それぞれの寄生種がポリネーター種の性比に与える影響を調べた。


日本生態学会