| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PC1-374

温暖帯における薪炭林施業によるアリ群集への影響

*吉村真由美(森林総研・関西)

人間活動によるアリ群集への影響について、日本では、主に都市郊外の地域で研究されてきました。しかし、林業活動がアリ群集に深刻な影響を与える可能性があるにもかかわらず、人間の長期間にわたる森林の管理と放棄がアリ群集に与える影響についてはあまり研究されてきていません。さらに、日本の特徴である薪炭林施業とアリ群集との関係についての研究もあまりありません。薪炭林地域における長期にわたる人間活動はアリ群集に影響を与えるのであろうか?燃料獲得のために管理され続けていた薪炭林において、今も管理されている林、管理放棄された林、伐採された林におけるアリ群集を比較することによって、森林管理のあり方がアリ群集へ与える影響について調べた。アリの種数はこれら3つの林のタイプ間で違いはなかったが、アリの群集構造に違いがあった。開けた土地と森林域にのみ生息するスペシャリストのアリの有無が薪炭林管理のよい指標種になるのではないかと考えられた。


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