| 要旨トップ | ESJ56 自由集会 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


自由集会 W06 -- 3月17日15:00-17:00 G会場

次世代DNAシーケンサーの生態学へのインパクト

企画者: 田中健太(筑波大・菅平セ), 清水健太郎(チューリッヒ大)

新しい原理による次世代DNAシーケンサーが数社から市場に投入され、大きな注目を集めている。その特徴は、迅速・安価に大量の塩基配列を解読できることにある。バクテリアのゲノムが4時間で決定されたり、ネアンデルタール人や氷漬けマンモスのゲノムが解読されるなど、すでに生物学に大きなインパクトを与えている。

この方法は、進化生物学や生態学の分野にも以下の点で強力なツールになりうる。一番目に、生態学的に重要な遺伝子を同定するための、非モデル生物を対象としたゲノム解析と発現解析が可能になる。二番目に、微生物群集を対象としたメタゲノミクスが効率的に行える。三番目に、これまで遺伝マーカー・ベースで行われていた集団遺伝学的解析が、はるかに情報量の多いシーケンス・ベースのものに移行していくと予想される。

このような理由から、海外では進化生物学者・生態学者が次世代シーケンサーを利用した研究プロジェクトをいくつも開始しているが、国内の出足は早いとは言えない。そこでこの自由集会では、次世代シーケンサーの概略の紹介、これを活用することでどんな研究が可能になるのかの議論、どんな機種がどこの施設でどれくらいの費用で使えるのかといった実際的な情報交換を行いたい。

コメント:進化生態学における次世代シーケンサーの光と陰

嶋田正和(東大)

ぞくぞくと始まる生態学への応用 田中健太(筑波大・菅平セ)

技術革新の背景と将来展望 清水健太郎(チューリッヒ大)

The power of association genetics:いもち病菌−イネ相互作用の解析を例に 寺内良平(岩手生工研)

微生物群集多様性の解析:熱帯食虫植物ウツボカズラと内部バクテリアの関係 竹内やよい(京大)

どれを使う?次世代シークエンサーの性能・コスト比較 永野 惇(京大)


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