| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-161

水田における水生昆虫群集の動態と動物プランクトン群集との関係

*中西康介,田和康太,村上大介,虎谷尚紀,沢田裕一(滋賀県大・環境科学)

水田は一時的水域であり,魚類などの大型捕食者が少ないことに加え,プランクトンなどが豊富であることから,トンボ類をはじめとした様々な水生昆虫の繁殖場所として適していると考えられている.本研究では,水田に生息する水生昆虫と餌生物との関係を明らかにするために,水生昆虫群集と動物プランクトン群集の動態を調べた.

調査地として,滋賀県高島市今津町の山間部に位置する水田地帯から4種類の農法の水田を各1筆選んだ.各水田の農法は慣行,減農薬,無農薬,冬期湛水である.これらの水田において,2009年5月から8月まで,水生昆虫の調査を週1回,動物プランクトンの調査を2週間に1回の頻度で行なった.水生昆虫の採集については,たも網を用いたすくい取りを,1筆につき20回行なった.動物プランクトンについては,各水田において毎回1000 mlの採水を行なった.現地で試水を40 μmのふるいでろ過した後,ふるい上の残渣をホルマリンで固定したものを研究室に持ち帰り,生物顕微鏡を用いて分類群ごとに個体数を計数した.

調査の結果,合計でトンボ目12種,カメムシ目5種,コウチュウ目14種が採集された.その他の水生昆虫で個体数が多かったのは,ユスリカ類,カゲロウ類,カ類であった.水生昆虫の種数,個体数ともにもっとも多かったのは冬期湛水田であった.一方,採集された動物プランクトンはワムシ類,ミジンコ類),カイアシ類,カイムシ類に分類された.各水田ともワムシ類の個体数がもっとも多く,カイムシ類がもっとも少なかった.慣行田と無農薬田では,田植えから1箇月程で動物プランクトンの個体数がピークに達した.このような動物プランクトンの動態と水生昆虫の動態との関係を考察した.


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