| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


シンポジウム S10-1

生物多様性民間参画ガイドラインの目指すもの

鈴木 渉(環境省・自然環境局自然環境計画課)

環境省では、企業などの民間事業者が生物多様性の保全と持続可能な利用に貢献する際の手引として、『生物多様性民間参画ガイドライン』を策定し、2009年8月に公表した。

1.背景

生物多様性を保全し、自然の恵みを将来にわたって享受できる「自然共生社会」を構築するためには、国民、事業者、その他民間の団体、地方公共団体、国といった様々な主体が、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する取組を進めていく必要がある。

特に、事業者はその活動を通じて国内外の生物多様性と関わり、また、製品やサービスを通じて消費者である一般市民と生物多様性との関わりに関与していることから、社会の一員として重要な役割を担っているといえる。

2.ガイドラインの概要

ガイドラインは、生物多様性に関する活動への事業者の参画を促すことを通じて、生物多様性の保全と持続可能な利用を促進することを目的としている。

ガイドラインは、多くの業種に共通する一般的な指針となっており、各事業者の環境管理システム等を生物多様性分野の活動について補強・支援するものと位置づけられている。

ガイドラインでは、事業者、国民、民間の団体、地方公共団体、国といった主体の中で、事業者を対象としている。中でも、初めて生物多様性に関する取組を行おうと考えている事業者の実務担当者に参考となるような情報を重点的に盛り込んでいる。なお、このガイドラインでは、「事業者」を大企業、中小企業、組合等各種法人事業者、個人事業者等も含んだ概念としている。

また、事業者以外に、事業者と連携する様々な主体(地方公共団体、研究者、NGO/NPO等)やその他の主体においても、事業者の活動に関する理解を深めるために本ガイドラインを活用することが期待される。


日本生態学会