| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


シンポジウム S13-2

南アルプスの自然とMAB生物圏保存地域

増沢武弘(静岡大・理)

南アルプスと言われている地域とは、南北に100Km以上、東西が50Kmにおよぶ赤石山脈の高山一帯である。この地域を「生物圏保存地域」として考える時、その面積は日本で過去に指定されている地域と比べると、あまりにも広大である。そのため、この地域には生物圏保存地域として指定すべき、地形、地質、生物が数多く存在する。高度800mから3100mまでの移行地域、緩衝地域、核心地域には多様な「自然」が存在し、各々が人間社会との関係を持っている。行政区分では長野県、静岡県、山梨県に属し、管理者は国、県、市町村、個人と様々である。特に静岡県側はそのほとんどが私有地であり、人間社会との共生に関する重要な部分となっている。

本講演では南アルプスにおける「生物圏保存地域」として地質、地形の特異性、生物の多様性について述べる。また、広大な地域であるため、保存対象地域をいくつかの河川の流域としてとらえる試みを提案する。


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