| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T13-4

水田生態工学の成果を行政に活かす方法とは?

守山拓弥 (農環センター)

近年の環境問題への関心の高まりなどを背景に、従来の農業基本法に農業の多面的機能についての要素なども盛り込まれた食料・農業・農村基本法が平成11 年に成立した。これを受け、水田生態系の存立基盤となる水田や農業水路などの整備を担う農業農村整備の分野においても、その背骨とも言うべき土地改良法が改正され(平成13年)、農業農村整備事業の実施に際し「環境との調和に配慮」することが明文化された。

このような背景のなか、農業農村整備分野の学術的な母体である農業農村工学(農業土木学)の分野でも、生態学などの諸学問を学びつつ、生態系を含む環境問題への様々な基礎研究、技術開発な行われ、水田生態工学というひとつの学問領域が形づくられてきている。

この水田生態工学は、「工学」との名称が示すように実学としての側面が強く、その成果を実際の農業農村整備事業へと反映し、事業による生態系へ影響を軽減することが主な目的のひとつとなる。したがって、技術開発にもまして事業実施主体への水田生態系の重要さやその保全に関する考え方などの啓発、生態系に配慮した施設の普及などが重要な課題となる。

そこで本報告では、これらの普及啓発や技術参考のために農業農村整備の分野で作成された各種の指針類に示されている考え方や内容などを紹介し、本企画集会のテーマである「関わり」のうち、特に本報告の担当となる行政との「関わり」についての議論の一助とする。


日本生態学会