| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T30 -- 3月18日17:30-19:30 J会場

微生物生態学者から学ぶ方法論―分子生物学的解析法の適用可能性と限界―

企画者: 鏡味麻衣子(東邦大学理学部), 広瀬大(日本大学薬学部)

近年、生態学研究のなかにも分子生物学的手法が浸透し、微生物(ウィルス、細菌、原生生物、菌類)を考慮に入れて物質循環や生物間相互作用を解析するケースが増えている。また、微生物は世代時間が短いことから、進化や競争など生態学の一般理論を構築する際のモデル生物としても活用されている。このように微生物の解析事例が増加している一方、生態学者が微生物の持つ特性を踏まえ分子生物学的手法の適用可能性と限界を十分に理解しているとは言えない。

 微生物に熟知した微生物生態学者は長年、地球上の生物多様性や機能の評価に尽力してきた。培養に代表される古典的手法に加え、分子生物学を基礎とした新しい技術を開発・応用することで、微生物生態学は近年目覚しい進歩を遂げている。本企画では、微生物生態学者からクローニングやDGGEなど一般的な手法からStable Isotope Probing(安定同位体プロービング)法や網羅的遺伝子解析など最新の方法まで、様々な解析方法について情報提供していただく。同時に、培養や観察など、分子生物学的手法と併用して用いられるべき古典的手法の重要性についても言及していただく。総合討論では、 企画集会「微生物群集と生態系をむすぶ」と連携し、微生物生態学の手法を生態系の理解に活用する可能性について、生態学/微生物生態学の両面から議論する。

コメンテーター

三木健(国立台湾大学)「数理モデルに欲しい微生物パラメータ」

内井喜美子(Universite Blaise Pascal)「感染症研究に必須の手法」

総合討論

企画集会「微生物群集と生態系をむすぶ」の企画者、演者と連携

[T30-1] 微生物解析へのニーズ:趣旨説明 鏡味麻衣子(東邦大学理学部)・広瀬大(日本大学薬学部)

[T30-2] 微生物生態学における分子生物学的手法の有効性と限界 小島久弥(北海道大学低温科学研究所)

[T30-3] 微生物食物連鎖の分子生物学的解析:メタン酸化を例として 村瀬潤(名古屋大学大学院生命農学研究科)

[T30-4] RNAから探る生命現象:網羅的遺伝子解析 石井伸昌・府馬正一(放射線医学総合研究所)


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