| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-038

東南アジアの熱帯山地におけるブナ科の垂直分布パターンの比較

*原正利(千葉中央博),神崎護(京大,農),水野貴司(大阪市大,理),野口英之(大阪市大,理), K. Sri-Ngernyuang(Maejo U.), S. Teejuntuk(Kasetsart U.), C. Sungpalee(Maejo U.),大久保達弘(宇都宮大,農),山倉拓夫(大阪市大,理), P. Sahunalu(Kasetsart U.),P. Dhanmanonda(Kasetsart U.)

ブナ科は熱帯下部山地林の主要な構成科で、その垂直分布は熱帯山地の垂直植生帯分化を考察する上からも興味深い。ここでは2つの熱帯山岳、北タイのドイインタノン(海抜2,565m)とボルネオのキナバル(海抜4,095m)におけるブナ科植物の垂直分布、特に種数の垂直分布パターンを比較し、分布パターンの形成要因について検討した結果を報告する。データは、ドイインタノンについては主に現地での採集標本および記録に基づくオリジナルデータ、キナバルについては同山のフロラ(Beaman et al. 2001)に基づく。分布が確認されたブナ科の植物は、ドイインタノンでは38種、キナバルでは62種であった。各種の垂直分布域から内挿によって標高帯ごとの分布種数を求め、標高傾度に沿った変化を調べると、どちらにおいても中標高域にピークを持つ、よく似た一山型の分布を示した。ただし、キナバルのほうが、いずれの標高帯でも種数が多かった。次に、どのような要因が、この分布パターンに影響しているのか、ニッチ分布モデルに基づく幾何学的制約(MDE:Mid-domain effect)、標高帯ごとの面積、気候条件などについて検討した。その結果、気温や降水量などの気候条件や、競合関係にあると推定されるフタバガキ科などの植物群との相互作用が重要で、高標高側では、面積の減少も影響していると考えられた


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