| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-241

水際植物群集における両生外来植物のリスク評価

*柴宮朋和,小池文人(横浜国大院・環境情報)

河川や湖沼の水際に生育する植物の中には、水中でも陸上でも生活できる種がいる。これらの植物は両生植物とよばれ、特定外来生物や要注意外来生物の中にも多くの両生植物が見られる。両生の外来植物はアクアリウムやビオトープで意図的に導入され、今後も被害が拡大する恐れがあるため、導入前のリスク評価が重要になる。本研究では、曖昧な区分である水際植物群集の優占種や種組成の把握を行い、優占・侵入する植物のパターンを生態特性によって明らかにすることを目的とした。

関東地方の中下流河川の水際でライントランセクトによる植生調査を行った。これをもとに種の水際への出現傾向を定量評価した。水際は水位変動が大きく、またひとつのラインに出現する水際種数は少ないため種が水際を好む程度を定量評価することは難しい。そこでひとつのラインの中での種の水際性を一対比較し、これをもとに全種の水際性を定量化した。ラインの中で一定の水際性の範囲の場所を水際エコトーンとし、これを出現種の組成でタイプ分けした結果、オランダガラシが主に生育する緩やかな流水辺タイプ、雑草種が主に生育する富栄養な都市タイプ、クサヨシやミゾソバが主に生育する過湿冠水タイプ、マコモやヨシが主に生育する止水タイプの4タイプに分けられた。 主な種において生態特性を測定し、各タイプの水際エコトーンに出現して優占するための条件を解析した。


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