| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-129

岡山県に生息する緩歩動物クマムシの分布特性

*藤井暁子,三枝誠之(岡山大学・自然科学), 宇津木和夫(平岡研),伊藤雅道(駿河大・経済),国枝武和(東京大・理),阿部渉(環境省),小野文久(岡山理科大),西村直樹(岡山理科大・自然植物園),西平直美(一宮高校)

クマムシは,緩歩動物門に属する微生物である.陸上に生息するクマムシは主に蘚苔類や地衣類(以下試料と呼ぶ)上に生息している.世界中に広く分布しており,現在1000種以上が報告されているが,日本での報告例は少なく,岡山県におけるクマムシの調査は,宇津木(1996)が岡山市で行ったのみで,岡山全域でのクマムシの種類と分布についてはわかっていない.本研究では,岡山県全域とその隣県の広範囲で調査を行い,そこに生息するクマムシの多様性を明らかにすることを目的とした.調査は2009年4月~2010年6月にかけて行い,岡山県とその隣県の54地点で試料を採集し,その中に生息するクマムシを採集し,同定を行った.結果,229の試料のうち102からクマムシの生息が認められた.見つかったクマムシは分類上,異クマムシ目のEchiniscus属6種,Pseudechiniscus属1種,真クマムシ目のMacrobiotus属13種,Minibiotus属1種,Eohypsibius属1種,Hypsibius属5種,Isohypsibius属3種,Diphascon属3種, Platicrista属1種,Milnesium属1種の5科10属13種であった.そのうち4科9属34種は岡山県初記録種であった.また,採集した試料の生えていた標高,着生基物に着目し,クマムシの種による分布特性を考察した.標高によるクマムシの出現率に差はなかった.着生基物に注目したところ,クマムシの多くは木,岩,コンクリートに着生する試料から見出され,土に着生する試料から見つかるものは少なかった.異クマムシ目のクマムシは木に着生する試料を好む傾向があることが示唆された.


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