| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(口頭発表) E2-15 (Oral presentation)

一般化線形モデル(GLM)でのデータ解析における説明変数の分布の影響

粕谷英一(九大・理・生物)

一般化線形モデル(GLM)は生態学のデータ解析に広く使われている。分析には目的変数の分布を誤差構造という形で指定することが必要なため、目的変数の分布には関心が払われてきた。一方、説明変数がどんな分布をしているかにはほとんど注意が払われて来なかった。説明変数が対数正規分布をしているとき、ロジットリンクで誤差が二項分布の場合(ロジスティック回帰)では、よく使われるWald検定の有意確率(いわゆるP値)の値に偏りが生じ、検定の結果を誤って解釈する危険がある。この偏りは数百のサンプルサイズでは解消されない。だが、説明変数が正規分布する場合にはこの偏りは生じない。有意確率の値の偏りは説明変数の分布の裾の形状に依存しており、説明変数の分布によって適切な検定が変わるため、説明変数についても分布を見て方法を選ぶ必要がある。さらに、複数の説明変数がある場合や、説明変数の係数への説明変数の分布の影響などを検討する。


日本生態学会