| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS34J (Poster presentation)

オオイタサンショウウオ(卵から飼育した個体)の実験室内での産卵行動

保家祐貴子, 中桐菖 (清心女子高等学校)

オオイタサンショウウオは2000年環境省のレッドデータブックにも「絶滅危 惧Ⅱ類(VU)」に指定されている種である。大分県を中心に九州、四国のごく限られた地域に生息している。多くの繁殖場所が圃場整備などの人為的な 改変で奪われて、変態後の生活場所となる周囲の森林や渇水しない水辺環境 も失われているので、近年、個体数が激減していることが推測されている。 1997年からオオイタサンショウウオの卵からの飼育に取り組み、繁殖できる 段階まで成長した個体が確保できたので、実験室内での繁殖を試みた。

飼育下で繁殖させる方法に、①開腹して、卵巣、輸精管を取り出して受精させる方法(メキシコサンショウウオなど)②ホルモン注射などを用いて、繁殖行動を誘発して産卵させる方法(アフリカツメガエルなど無尾類)③自然産卵を模した飼育環境を与える方法(アカハライモリ、シリケンイモリ、トウキョウサンショウウオ、トウホクサンシ ョウウオ)がある。本研究では親個体を殺す方法は避け、①でHCG注射をして、開腹しないで卵嚢と精子を採取して受精させる方法と③でHCG注射して、 配偶行動を誘発して水槽で自然産卵させる方法を試みた。


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