| 要旨トップ | ESJ59 企画集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


企画集会 T04 -- 3月18日 17:30-19:30 D会場

モザイク景観と生物多様性の関係:成因、変異性、保全

企画者: 山北 剛久 (東大・生物多様性), 宮下 直 (東大・生物多様性)

 生物多様性の理解には遺伝的多様性、種多様性、景観多様性の3つのスケールが使われることが多い。前者2つは比較的統一した単位性をもち、操作実験や比較可能な野外調査が行われているのに対して、景観多様性はその単位性の定義があいまいであり、対象とするスケールも大きく、生物多様性に与える景観の効果について体系立てて検討が進められているとは言いがたい。

 そこで、本集会では複数の景観単位のモザイク性に注目して、景観がどのように生物多様性に影響を与えるのかを検討する。そのために、まず能動的には動かない植物の種多様性に対して景観の組み合わせが与える効果、鳥類の種多様性を生み出す複数景観の効果とその地理的変異を検討した事例を紹介する。また、モザイク性をどのように抽出し、生物多様性の推定に適用すべきかについて、研究例の少ない海域を例とした検討と、生物生息地の基盤としての土地利用へ与える地形の効果を解明することによって、モザイク性をどのように生み出されてきたかプロセスに迫る。

 その結果、異なる生態系や地理的範囲において普遍的に景観多様性が全体の種多様性に与える効果が見られるか、その適切な検出方法はどような方法かなどについて、コメンテーターや会場と共に議論を深めることを期待している。

( 総合討論 コメンテーター:中静透、司会:宮下直 )

 

 

[T04-1] 水田地帯における水湿生植物のα、β、γ多様性と環境の異質性 石田 真也 (国立環境研究所)

[T04-2] 陸生鳥類の種多様性と景観の異質性 国土スケールでの評価 *小松 功武 (東京大学・農), 楠本 良延 (農業環境技術研究所), 高川 晋一 (日本自然保護協会)

[T04-3] 沿岸の生物多様性を説明する景観指標の検討:連続環境や変動環境をどう扱うか? 山北 剛久 (東京大学・院・農)

[T04-4] アジアスケールでみた農業景観のモザイク性:生物多様性の観点から 大久保 悟 (東京大学・院・農)


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