| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-339 (Poster presentation)

群集の機能的多様性を人為インパクト評価に用いる:亜熱帯林の森林管理を例として

*真栄城亮(琉球大・理),楠本聞太郎(琉球大・理),藤井新次郎(琉球大・理),塩野貴之(琉球大・理),久保田康裕(琉球大・理)

植物群集の機能的多様性と機能特性は、森林管理などの人為インパクト評価に利用できることが示唆されている。私たちは琉球列島の皆伐跡二次林およびリュウキュウマツ植林後の放棄林を含む亜熱帯常緑広葉樹林において、機能的な豊かさ、機能的均一性および機能的分化などの機能的多様度指数を利用してそれを検討した。

機能的多様度指数は、(i) 原生林 (ii) 皆伐跡二次林 (iii) リュウキュウマツ植林地の間で大きく異なっていた。しかし、種多様度指数は 3 つの森林タイプ間での大きな相違は見られなかった。機能的な豊かさ(FRic)は、二次林と植林地で原生林より有意に低かった。機能的均一性 (FEve) は二次林で原生林や植林地より有意に低かった。機能的分化 (FDiv) は二次林と植林地で原生林より有意に高かった。これらの相違は森林管理手法の違いが機能的多様性の変化に繋がったこと、管理された森林の構成種間で機能的な空間におけるニッチ分割・ニッチ占有率のパターン変化があったことを示している。


日本生態学会