| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-146 (Poster presentation)

鳥類の生物多様性の評価と維持機構に関する研究

鈴木透(酪農大・環境共生)

野生生物との共生を含めた生物多様性の保全を実現するための社会的枠組みにおいて、生物多様性を質的・面的に評価することが重要である。また、ある地域における生物多様性の保全対策には1ヶ所の生物多様性を保全するだけではなく、地域全体の生物多様性の維持機構を解明し、地域全体の生物多様性を保全することが重要である。生物多様性の尺度は様々な解釈があり、種の豊かさ、絶滅危惧種、地域固有種などが主な指標となっており、様々な観点での保全対策が必要であると報告している。また、生物多様性の定量的評価は対象とする地理的大きさによって、ある1つの生態系の多様性の示すα多様性、ある地域の多様性を示すγ多様性、地域内の複数の生態系の多様性を示すβ多様性に分けられる。このようにある地域の生物多様性を保全するためには、ある1つの指標・地理的範囲で示された生物多様性の高い地域だけを保全するのではなく、様々な指標・地理的範囲で生物多様性を多面的に評価し、その関連性や階層性といった生物多様性の維持機構を明らかにすることが重要である。

そこで本研究では、北海道江別市において、森林における指標生物である鳥類を対象として、生物多様性の階層性や関連性、生物多様性と景観との関連性を評価することで、森林を利用する鳥類の生物多様性の維持機構を解明することを目的とした。具体的には森林パッチの景観構造の定量化、鳥類の多様性の把握、生物多様性の階層性と景観との関連性の分析を行い、鳥類の生物多様性維持機構を考察した。


日本生態学会