| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-242 (Poster presentation)

福島県岩瀬郡唐沢山の生物相 II・植物・菌類編

*小林到((株)エヴィット研究所),飯島明子(神田外語大),木原正博((社)新聞協会),高橋円,寺田美奈子,中山聖子(東邦大・東京湾セ),西村麻利子(神田外語大)

唐沢山は奥羽山脈の南端に位置し、福島県と栃木県の県境に近いなだらかな高原である。標高1000 m弱の山頂部周辺にはブナなどの落葉広葉樹林が広がるが、一部では第二次大戦中に陸軍の施設として利用されていたため、一度皆伐された後で二次林が発達するなど、変化に富んだ植生が見られる。

唐沢山山頂には学校法人佐野学園の英語研修施設兼宿泊施設、ブリティッシュヒルズがある。施設周辺の生物相については、建設初期の22年前に植生調査が行われているが(寺田1991、1994)、施設職員および利用者の森林生態系に対する認識は低い。このため我々は、この地域の植物相および菌類相を把握・周知し、かつ22年前の調査結果と比較を行うことで森林生態系の長期変化を明らかにすることを目的として、2011年度より生物相調査を行なってきた。

2011年度は、春・初夏・夏・晩秋に踏査し、ブナやミズナラといった東北地方の森林を代表する種から、ススキ草地、カラマツ、ヤナギ類などの二次林植生を含めて、計283種の植物を確認した。菌類は10月1回のみの踏査で32種を確認した。

2012年度は春・初夏・初秋・晩秋に踏査を行ったほか、初夏に木本・草本定性調査を行って植生をタイプ分けし、その一部分で毎木調査を行ったので、その結果を報告する。また初秋に行った菌類調査の結果もあわせて報告する。

この研究は神田外語大学研究助成金の助成を受けて行っている。


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