| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS09 (Poster presentation)

泉北高校ビオトープ池の完成後7年間の生物と環境の変遷

*江崎雄大,*磯部賢太,*岡山達哉(大阪府立泉北高等学校・サイエンス部)

本校のビオトープ池は2005年9月に完成し、メダカなどの動物やヒメガマなどの水草を導入した。10月からプランクトンの採集を開始し、7年間で緑藻類・珪藻類など植物性90種、ワムシ類・甲殻類など動物性79種が見つかった。池周辺のコナラ林からの落葉が分解されて栄養塩類が増加したためか、2009年まではプランクトンは増加を続けた。同時に、ヒメガマやヨシなどの水草も大きく成長し、2009年頃には池全体を覆うようになり、それ以降プランクトンは激減した。これは、水面に照射する光がさえぎられ、植物プランクトンが減少したためと考えられる。そこで、2010年以降は年1回秋に池の約半分の面積の水草を刈り取ることにした。その結果、2011年より再び増加を始めている。

また、週に1~2回、水温・水位・pHなどを測定し、動植物の変化も記録している。造成当初は7前後であったpHはヒザオリやアオミドロなどの糸状藻類の増加とともに、10近くまで上昇したが、2007年に大量のウシガエルのオタマジャクシが発生して、藻類を食べ再び低下した。2年後にオタマジャクシがいなくなり、再び藻類が増加し、pHもやや上昇し、現在は生物の多様性も高まり、pH8前後で推移している。


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