| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS25 (Poster presentation)

カワニナを通して考える地域の生態系~伊自良川の実態に学ぶ~

*杉山高大,*長野紗弓,*古屋峻明,*池田伊吹,木内恒聡,鵜飼裕紀,松雪貴哉,淺野将太,仲上裕輝,奥村奈津実(岐阜県立岐山高等学校・生物部)

昨年のホタル会議で琵琶湖産カワニナの放流が中止になった。ホタル保護団体の二人の方に聞き取り調査を行ったところ、二人の考え方には様々な相違点があることがわかった。昨年に引き続き小学生に対しホタルの生息調査を行った。母集団が変化したこともあり多少の違いはあったが大きな変化は見られなかったと考えている。さらに小学校へ出張授業に行き、小学生たちと交流した。新たに始めた伊自良川の調査では琵琶湖産カワニナが流速の遅くなっている地点で定着・繁殖していることを発見した。この地点を中心に下流に生息域を広げていく可能性も考えられる。今後も調査を継続していく。板屋川でも同様の調査をしたところ幸いにも琵琶湖産カワニナは定着・繁殖していなかったが、本流である長良川のワンド付近に定着している可能性も考えられる。ホタルの幼虫を隔離養殖すれば地域の人たちの願いである早く多くホタルを見ることは可能であるが特定の生物を保護することが生態系に与える影響をしっかり考えなくてはいけない。今後は今ある生態系を守り伊自良川で起こってしまったことが起きないように社会に問題提起し続けていきたい。


日本生態学会