| 要旨トップ | ESJ60 自由集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


自由集会 W08 -- 3月5日 15:30-17:30 I会場

エコロジーとアート──生態学の社会とのかかわり

企画者: 多田満(国立環境研)

公害が深刻な問題となってきた196O年代後半より、欧米ではアースワーク(ランドアート)やエコロジカル・アートの作家が、多様な専門家や人びととの対話を通じて、人間と自然や都市の環境との関係性を深くみつめ、場所の現状や課題について問いかけ、新たなヴィジョンの提案をおこなってきている。かれらは、われわれが直面している地球環境(生物多様性など)の危機的状況に対して、その実際的な解決策を示すために、環境の修復・再生やその持続可能性を作品のテーマとしている。そのプロセスでは、生物学(生態学)をはじめ、社会学、地理学、地質学、歴史学などの専門家や、行政、住民との協働により活動を展開している。すなわち、地域の環境や生物などについての科学的データとフィールドワーク(社会学的な手法)、ならびに、その地域の社会的・歴史的背景のリサーチ等の情報や人びととの多角的な「対話」の集積が、彼らのアートの素材となっているといえる。

本集会では、まず、科学とアート(芸術)のつながりと、レイチェル・カーソン『沈黙の春』(1962年)などの作品から生態学と社会のつながりについて理解を深める。次に欧米でのエコロジカル・アートの実際例から話題を提供していただき、最後にこれらの講演を通して、国内におけるアートを通じた学際的な協働の取り組み(展望)について議論をおこなう。

科学とアート(芸術)──地球から宇宙へ 多田満(国立環境研)

カーソンの生態学──科学を芸術(文学)に 多田満(国立環境研)

エコロジカル・アート──学際的活動の可能性 清水裕子(大阪市立大)


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