| 要旨トップ | ESJ60 自由集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


自由集会 W11 -- 3月5日 18:00-20:00 B会場

ゲノム数変化を伴うcomplex life cycleの適応と進化

企画者: 別所和博(九大シス生), 岡本美里(沖縄科学技術大学院大学), 箱山洋(水産総合研究センター/東京海洋大学)

真核生物の生活環は減数分裂と接合による核相交代で特徴づけられる。通常、有性生殖を行う生物の進化生態過程を考える場合、受精卵由来の二倍体多細胞体が生涯のほとんどを占め、減数分裂により作られる半数体配偶子の接合によりゲノムの混ぜ合わせが起こるという繁殖様式を想定する。

しかし、生物はしばしばそのようなサイクルから逸脱した複雑な生活環を示すことが知られている。しかし、従来の研究手法は、暗黙の了解として単純な生活環を想定しているため、そこから外れた分類群の進化生態学的理解は困難を伴う。

本集会ではゲノム数変化を伴うcomplex life cycleに焦点をあて、通常想定される生活環から逸脱したシステムを示す分類群を対象として研究を行っている方々から、そのような複雑なシステムを理解するための取り組みをご紹介していただき、それらの間に成立するアナロジーなどについて考えてみたい。

具体的には、九州大学の別所が核相交代を伴う藻類の複雑な生活環についてを、沖縄科学技術大学院大学の岡本氏に真社会性昆虫で獲得された性・カースト決定機構の多様性についてを、中央水産研究所大学の箱山氏にはフナ類の有性型と無性型の間での遺伝子交流システムについてをお話して頂く。

また、コメンテーターをお呼びして、集会の最後にコメントをお願いすることを予定している。

大型藻類生活環の多様性・貧栄養環境適応仮説の理論的検証 *別所和博(九州大学),Troy Day (Queen's University)

真社会性昆虫で獲得された性・カースト決定機構の多様性 岡本美里(沖縄科学技術大学院大学)

フナ類の有性型・無性型集団の遺伝子交流システム 箱山洋(水産総合研究センター/東京海洋大学)


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