| 要旨トップ | ESJ60 自由集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


自由集会 W36 -- 3月7日 18:00-20:00 K会場

市民調査の課題克服のための新たなアプローチ~日本の市民科学の確立に向けて~

企画者: 小堀洋美(東京都市大学), 高川晋一(日本自然保護協会), 北村亘(リトルターン・プロジェクト)

COP10で採択された愛知目標達成のロードマップとして、「生物多様性国家戦略2012―2020」では生物多様性の危機を克服するために5つの課題が示された。市民調査はそのうちの3つの課題(生物多様性に関する理解と行動、科学的な知見の充実、担い手との多様な連携)を克服する上で有効な手法である。市民モニタリング調査は広域的・長期的なデータの集積の意義があるが、克服すべき共通の課題(目標の明確化、精度の高いデータの確保、結果の活用手法、まちづくりや行政の施策との連動、調査員の育成を含めた教育システムの充実)が挙げられている。

本自由集会では、これらの多様な課題を解決する有効なアプローチとして「市民科学」を提案する。「市民科学」とは、市民が研究活動のプロセスに参画し、科学研究に貢献することで、米国ではbioinformaticsの活用により、過去10年間に急速な発展を遂げた。今回は日本で市民科学を確立することを目標とし、そのための方策を報告と総合討論を通じて検討する。

総合討論 新たな市民科学の確立を目指して

コメンテーター:小河原孝生(生態教育センター)

市民科学を確立するための条件~米国における市民科学の現状と有効性~ 小堀洋美(東京都市大学)

市民科学におけるbioinformaticsの活用~野鳥記録のデータベース化と活用~ 神山和夫(バードリサーチ)

市民が環境研究のプロセスを担うとは?~ボランティアと協同する調査と研究~ 北村亘(リトルターン・プロジェクト)

市民による気候変動影響モニタリングを行政施策にどう連動させるか 陸斉(長野県環境保全研究所)

市民科学の社会的アプローチ~災害レジリアンスや獣害問題への適用~ 桜井良(フロリダ大学)


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