| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA1-177 (Poster presentation)

都会の大規模緑地は生物多様性ホットスポットとなりえるか?-東京都心から多摩地域にかけての広域比較

*曽根直幸,上野裕介,栗原正夫(国総研・緑化生態)

世界的に都市人口の増加とそれに伴う環境問題の拡大が続くなか、都市生態学(urban ecology)への注目が近年高まっている。一方、日本の都市では、人口減少と都市の縮退が予想され、政策的にもコンパクトシティを目指す方向が主流となりつつある。野生生物のハビタットという観点からみると、空き地発生による市街地の緑被率改善や、公共施設跡地の緑地化等が期待される一方、古い公園の廃止や再編の可能性も考えられる。今後の緑地計画には、都市の拡大/縮小の両局面において、緑地が如何に生物多様性保全に寄与し得るかという都市生態学の知見が必要である。

本研究のゴールは、東京都心~多摩地域という幅広い都市化度を有する範囲において、緑地の規模、植生構造、周辺環境等が生物多様性にどのように影響するかを分析し、効果的な緑地保全・創出手法を明らかにすることである。調査地は、大規模公園(10ha以上)9箇所、中規模公園(2-10ha)21箇所、小規模公園(0.1-2ha)30箇所の計60箇所とし、それぞれを都心(23区部)、郊外(市部)、自然地域(多摩川周辺以西)から選定した。調査方法は、秋・冬・春・夏の4時期(冬は鳥類のみ)に、鳥類及び飛翔性昆虫類(チョウ類・トンボ類・バッタ類)を対象にラインセンサスを2回ずつ行い、地表徘徊性昆虫類(オサムシ類・シデムシ類)を対象にピットフォールトラップを30個/箇所、1週間設置することとしている。また、調査ルートやトラップ設置場所周辺にコドラート(10m×10m)を設定し、対象地の植生構造を記録している。

今回の発表では、2013年10月に行った調査結果を紹介し、あわせて今後の調査・分析・活用の方向性について議論する。


日本生態学会