| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS17 (Poster presentation)

早春の野幌森林公園におけるアライグマによるエゾサンショウウオの捕食状況

谷中陽祐, 渡邉真記, *平田識穏 (北海道札幌啓成高等学校科学部), 植木玲一 (北海道札幌啓成高等学校), 堀繁久 (北海道開拓記念館)

エゾサンショウウオ(Hynobius retardatus)は北海道固有種であり,調査地である野幌森林公園の個体群は,北海道レッドデータブック2001で保護に留意すべき地域個体群(Lp)に含まれている.また同地域では1992年に,北米からの特定外来生物アライグマ(Procyon lotor)の痕跡が確認され,以降毎年アライグマの生息が確認されている.同地域では,繁殖期に産卵に集まったエゾサンショウウオがアライグマにより捕食されていることが,エゾサンショウウオの被食痕やアライグマの痕跡などの状況証拠から指摘されていたが,その直接的な捕食現場の確認がなされていず課題となっていた.

本研究では,環境調査,被食痕調査および自動撮影カメラ調査により,早春に野幌森林公園で見られるエゾサンショウウオの被食痕を残した捕食者が,アライグマであることを突き止めた.

また,本研究で得られた画像から,アライグマがエゾサンショウウオを捕食する際の行動パターンの解析を試み,“こすり洗い行動”(読売新聞online,2009から語句引用)をすることなどを明らかにした.


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