| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-004 (Poster presentation)

リンゴの葉における内生菌群集構造と病害抵抗性との関係-葉内部の群集生態学-

*平久江歩美(学部4年),杉山修一(弘前大学農学生命科学部生物学科)

内生菌とは害を与えることなく植物組織内に棲息している微生物のことである。内生菌は自然界のほとんどの植物種に存在することが知られているが、植物組織内の内生菌群集の構造がどのような要因により決定されているかはあまりよく分かっていない。本研究は、自然状態に近いとされる無肥料・無農薬栽培のリンゴを対象に、葉の内生菌の群集構造が遺伝型(品種)および樹齢(成木,実生)によってどのように影響を受けるかを明らかにするために行った。

【材料と方法】

無肥料・無農薬栽培のリンゴ園(弘前市,木村秋則氏)において栽培されている3品種「ふじ」、「王林」、「紅玉」の成木、実生を対象とし、内生菌(真菌と細菌)の量と群集構造の違いをDNAを用いた分子生態学的手法で調べた。9月末に葉からDNAを抽出し、特異的なプライマーを用いてリアルタイムPCRとT-RFLP法で内生菌(真菌と細菌)の量と群集構造を調べた。

【結果と考察】

リアルタイムPCRで求めた内生菌量,細菌で品種間、樹齢間ともに有意差を示したが、真菌には有意差は認められなかった。また、T-RFLPにより細菌では7種、真菌では19種の主要な断片長が得られ、そのうちのいくつかの断片長で品種間と樹齢間で有意な差を示した。これらの結果から、細菌や一部の真菌種は品種や樹齢による選択を受けている可能性が示唆された。


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