| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-019 (Poster presentation)

次世代シーケンサーを用いたタイ熱帯季節林における土壌菌類の遺伝構造・多様性解析

*安間更紗(京大院・農),東樹宏和(京大院・人間環境),Chongrak WACHRINRAT(カセサート大・林),神崎護(京大院・農)

外生菌根菌は樹木と根を介して共生し,土壌由来のリンや窒素といった養分を植物に提供する見返りに、光合成産物である炭素を受け取っている.従って森林生態系全体での炭素,栄養塩類の循環に大きく寄与していると考えられる.両者の共生関係を考慮すると,外生菌根菌相は樹種の違いや遷移段階の違いに多大な影響を受けている可能性が高い.一方,樹種の分布も外生菌根菌との共生関係の確立の成否が要因の一つになっているとも推測される.加えて,多様な樹種が生育する熱帯の外生菌根菌相は温帯,寒帯よりもはるかに多様であることが予想できる.しかし,東南アジア熱帯林の外生菌根菌相を包括的に調べた研究は未だ少ない. 本研究では,タイの熱帯季節林(乾燥常緑林・乾燥落葉林)において雨季と乾季に採集した土壌中の外生菌根菌相を明らかにすることを目的とする.この研究で共生菌根菌類の群集組成があきらかとなり,熱帯季節林での植林地の管理技術や苗の生産に有効な菌根の発見につながることが期待される.2013年9月(雨季)に50m四方のプロットを乾燥常緑林・乾燥落葉林それぞれに3プロットずつ設定 し,各プロット内において規則的に50ヶ所から土壌を採集した.各土壌サンプルからDNAを抽出し,真菌ITS2領域をGS-Juniorで解読した.本発表では,雨季の外生菌根菌相の森林間比較を行う.


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