| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB3-047 (Poster presentation)

アルゼンチンアリスーパーコロニーのフィプロニルに対する曝露応答

*早坂大亮,桑山直樹,竹尾 東,澤畠拓夫(近畿大・農),井上真紀(農工大),五箇公一(国環研)

アルゼンチンアリ (Linepithema humile) 防除の有効な手段の一つに化学的防除が挙げられる.中でも,フィプロニル剤は,本種に限らず多くの侵略的外来アリ類に対する高い殺虫効果が認められており,有用な防除薬剤と言える.一方で,本剤は殺虫スペクトルが多岐にわたるため,非防除対象種に対しても負の影響を及ぼす可能性がある (Hayasaka et al. 2012).また,現行の外来生物法では,化学薬剤による外来生物防除について明確な基準・指針は設定されていない.本研究では,フィプロニルに対するアルゼンチンアリの曝露応答と陸域在来生物への生態影響に関する知見を収集することを目的に,室内における急性経口毒性試験を実施した.対象は,神戸市で見られる遺伝的に異なる4つのアルゼンチンアリスーパーコロニー (SC) (J.main,Kobe A,Kobe B,Kobe C) 及び,在来節足動物7種 (アリ4種,ゴキブリ2種,ワラジムシ1種) とした.影響判定点は48時間後における半数致死濃度とした.試験の結果,SC間の感受性差 (種内変異) は10倍 (271-2782 ug/L),在来種間の差は7倍 (330-2327 ug/L) であり,薬剤感受性は既往研究と同様 (Barata et al. 2002),種間より種内で大きかった.SCのうち,侵略性の最も高いJ.main SC (Inoue et al. 2013) のLC50値は,他のSCと比べ有意に低かった.体サイズとフィプロニル感受性との間に有意な相関は見られなかった (p = 0.677).アルゼンチンアリSCと在来種の種の感受性分布パターンは類似しており (p = 0.202),フィプロニル曝露の影響は,アルゼンチンアリも在来種も同程度受けることが明らかとなった.


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