| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB3-082 (Poster presentation)

環境省モニタリングサイト1000沿岸域調査(磯・干潟・アマモ場・藻場)2008-2012年度の成果

*横井謙一(WIJ),仲岡雅裕,野田隆史,本村泰三(北大),太齋彰浩(南三陸町),青木優和,鈴木孝男(東北大),金谷弦(国環研),多留聖典(東邦大),飯島明子(神田外大),村田明久(千葉中央博),田中次郎(海洋大),栗原健夫,坂西芳彦,浜口昌巳,堀正和,吉田吾郎(水総研),白山義久,田中義幸(JAMSTEC),木村妙子,倉島彰(三重大),向井宏(京大),石田惣(大阪自然博),古賀庸憲(和歌山大),川井浩史(神戸大),村瀬昇(水大校),逸見泰久(熊本大),森敬介(国水研),寺田竜太,山本智子(鹿大),岸本和雄(沖縄水海技),佐藤直人(環境省)

モニタリングサイト1000沿岸域調査は2008年から開始され、磯、アマモ場、藻場では各6サイト、干潟では8サイトで生物のモニタリングが継続されている。今後のモニタリングに向けた生物多様性の基礎情報を把握する目的で、2012年までに得られた5年間の成果を生態系毎にまとめた。

磯では、各サイトの岩温変化の特徴、出現種数や多様度指数の違い、サイト間の種組成の類似性が明らかにされた。干潟では、各サイトの底生動物群集の多様性と経年変動、サイト間の種組成の類似性が示された。アマモ場では、各サイトの海草類や底生動物群集の多様性と広域的・局所的空間変異、その時間的変動が明らかにされた。藻場では、各サイトの出現種数、褐藻類3目によるLFD指数と水温の関係、サイト間の種組成の類似性が示された。また、松川浦(干潟)、大槌(アマモ場)、志津川(藻場)のデータを用いて東北地方太平洋沖地震による津波が沿岸域に及ぼした影響を検証した結果、生態系タイプやサイト内の調査地点の違い等で影響が異なることが示唆された。このような検証を通して、生物多様性の変化の検出には長期的かつ定量的なモニタリングが極めて重要であることが確認された。


日本生態学会