| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


シンポジウム S02-1 (Lecture in Symposium/Workshop)

生態学・進化学に必要なビッグデータとその利用法とは

河田雅圭

生態学・進化学に必要なビッグデータとその利用法とは

河田雅圭 (東北大・生命科学)

現在、インターネット上に蓄積されていく様々なデータ、センサーや画像データ、種々のイベントや行為のログデータなどが大量に蓄積されている。一般的にビッグデータとは単に、大量のデータというだけでなく、刻々と記録されていく蓄積のスピードの早さ、また、データベースによる蓄積だけでなく、構造化されていない大量のデータをさす。生態学や進化学においては、生物多様性情報のデータベース化の整備、DATA paperの普及や論文に使用したデータのデポジットの義務づけなど重要な情報がネット上に蓄積されている。また、DNA配列やアミノ酸配列、タンパク質、遺伝子発現、代謝など様々な情報がデータベースとして蓄積されてされ、近年には、次世代シークエンサーで解読された大量のゲノムデータが蓄積されつつある。さらに、生物情報に関しては、一般市民による記録や様々な画像・センサーによるログが記録されており、そのような散在し構造化されていない記録から重要な情報をとりだすことができる可能性がある。このような大量の構造化あるいは構造化されていないデータを収集・解析し、それぞれ異なる要因を関連づける手法が求められている。本講演では、(1) 生態学・進化学に利用できるどのようなビッグデータが存在するか、あるいは、今後利用出来る可能性があるのか、(2) ビッグデータの収集・解析からどのようなが生態学や進化学の新たな展開をもたらすのか、(3)今後、どのような技術や他分野との協働が必要になるのか、について考察したい。


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