| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


自由集会 W19 -- 3月14日 18:00-20:00 C会場

生態学・進化学のモデル生物:キューバのアノールトカゲ

企画者: 赤司寛志(東北大・生命), 河田雅圭(東北大・生命)

アメリカ合衆国、フロリダ半島の南方に広がるカリブ海の群島には、アノールトカゲという樹上性のトカゲが約160種生息している。かれらは樹木の枝先や幹、樹冠など、生息する微環境を違えることで多種の共存が可能となっている。さらに、各微環境に伴う形態や行動が分化し、この生態・形態・行動の違いをもとにエコモルフとよばれるグループ分けがなされている。エコモルフはカリブ海の島間で独立に数回進化していることから、適応放散、収斂進化のモデル生物として研究がなされてきた。しかしながら、キューバにおけるアノールトカゲの進化学的な研究は比較的少ない。キューバはカリブ諸島で最も大きい島で、アノールトカゲの生息数が最も多い島(63種で、96%が固有種)であるため、キューバ産アノールトカゲはより複雑な群集構造を形成している。

そこで本集会では、キューバの爬虫類に精通している方を招待し、国内ではなかなか聞くことができないキューバのアノールトカゲについて発表していただく。そして、キューバ産アノールトカゲを用いた進化の研究事例を紹介し、多様性創出や環境適応力の理解に繋がればと考えている。

[W19-1] はじめに  河田雅圭(東北大・生命)

[W19-2] Diversity of Anolis lizards in Cuba  Luis M. Díaz(Cuban National Museum of Natural History)

[W19-3] Factors affecting intraspecific genetic divergence of Anolis lizards within Cuban island  *Antonio Cádiz Díaz (University of Havana), 岸部太樹(東北大・生命)

[W19-4] アノールトカゲにおける温度環境への適応の遺伝的基盤  赤司寛志(東北大・生命)

[W19-5] アノールトカゲにおける生息環境への視覚の適応の可能性  寺井洋平(総研大・先導研)

[W19-6] キューバから日本に侵入したグリーンアノールの進化  玉手智史(東北大・生命)


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