| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-091 (Poster presentation)

奥多摩地域におけるクリの結実変動

森広信子 (多摩森林科学園)

関東山地の奥多摩地域にはクリが優占する二次林があり、コナラやミズナラが優占する場合と異なり、幹が1本で萌芽再生の跡があまり見られないという特徴がある。標高約1000mにある、このようなクリの二次林にシードトラップを設置し、1993年から22年間、堅果の落下量を調べた。

堅果落下量の変動係数は、観察年数が少ないうちは観察期間によるバラツキが大きく、観察年数が多くなるほどバラツキが小さくなって一定の値に収斂していき、15年以上で0.9前後となった。数でなく、重さを元に変動係数を計算すると、値がやや高くなり、1.0前後となる。

2002年、それまで落下量が少ない状態が続いた後、大豊作となった。ところが、この大豊作以降、隔年で豊作と不作を繰り返すように、結実変動のパターンが変わった。自己相関を取ると、2002年以前には隔年豊作の傾向は全くないが、2002年以降は10%レベルの弱い隔年豊作の傾向が現れている。1999年から2002年の間に調査対象の3個体が枯死し、共存するほかの樹木も複数本枯死したが、2002年を境に結実変動のパターンが変わったことと、何らかの関係がありそうである。


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