| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-137 (Poster presentation)

針葉樹人工林へ侵入した竹の伐採が広葉樹の更新に与える影響-2年間の刈り払いの影響-

*小谷二郎,角 正明(石川県農林研)

竹が侵入した針葉樹人工林で、親竹伐採後2年間の新竹の刈り払いが広葉樹の更新に与える影響を調査した。調査地は、石川県内20箇所の元々針葉樹人工林(主にスギ林)であった場所である。2012年に親竹を伐採した林内に10m×10mのプロットを設置し、2013年と2014年に発生した新竹に対する夏の刈り払いが広葉樹の生存と成長へ与える影響を調査した。調査した20箇所のうち12箇所は林地全面を刈り払った(全面刈り払い区)のに対し、8箇所は竹のみを選択的に刈り払った(選択的刈り払い区)。2年間の調査の結果、出現した広葉樹の種数は全面刈り払い区で有意に少なかった。しかしながら、本数および樹高は処理区間で有意な差はみられなかった。主な広葉樹では、アカメガシワとカラスザンショウは処理区に無関係に減少頻度が高く、とくに全面刈り払い区でその傾向が強かった。シロダモも全面刈り払い区で減少頻度が高かったが、選択的刈り払区では他の樹種よりも増加頻度が高かった。一方、ヤマザクラ・クマノミズキ・クリ・アオハダ・ヤマグワなどは処理区に無関係に増加頻度が高い傾向にあった。以上のことから、新竹の刈り払いを林地全面に行う方法は樹種構成に影響を与え、先駆性の強い樹種や一部の常緑樹種を衰退させ、刈り払いの影響を受けにくい二次林構成樹種の優占度を高める傾向にあると考えられた。


日本生態学会