| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS19 (Poster presentation)

守れ!ふるさとのカスミサンショウウオⅥ

*前田晃太郎, *後藤曉彦, *丹羽大樹, *三輪直生, 石田瑞生, 磯貝涼介, 高木悠, *林俊輔, 増田綾香, *村瀬希, 浅野綾香, 江崎正英, *神戸朱琉, *久冨匡晧, *小島瑳希子, *後藤那月, *佐賀美月, 澤田浩菜, *高山あまね, *松井斗希, *森本早稀 (岐阜県立岐阜高等学校)

私たちは,絶滅の危機に瀕している岐阜市個体群のカスミサンショウウオの保護活動を継続して行っている。2007年から岐阜高校で保護,飼育したのち,放流する活動を8年間行い,14254匹を放流した。その結果,成体の個体数が2010年から大幅に増加し,若齢個体の割合も増えている。また,2011年から生息域外保全として岐阜大学域外飼育場と岐阜市有地で放流を行っている。放流4年目にあたる2014年には,岐阜大学域外飼育場で成体と幼生が,岐阜市有地では初めて成体と卵嚢が発見された。

岐阜市個体群の年齢構成を同定するために,指切片を用いた解析を行った。成長停止線の本数から年齢を推定した結果,岐阜市個体群はほとんどが3歳で性成熟することが判明した。また,保護した成体のミトコンドリアDNAを解析し,保護活動開始当初から現在までの7年間の年ごとのハプロタイプ頻度を算出し,比較した。その結果,岐阜市個体群のハプロタイプは3種類で,年を経てもハプロタイプ頻度の低下がみられなかった。さらに,ゲノムDNAの多様性と生殖行動を調べるため,マイクロサテライト多型解析を行った。


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