| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS27 (Poster presentation)

アブラナ科植物の化学生態

*鈴木悠太, *伊藤悠揮, 阿部正浩, 田部瑞貴, 青木菜々子 (大阪府立住吉高等学校)

皆さんは大根が辛い理由を知っていますか?その理由は大根がイソチオシアネート(ITC)という辛味成分を持っているからです。私たちはそのITCについて研究しています。ITCはアブラナ科植物特有の成分で、私たちはこのITCと外敵である昆虫との関係を明らかにすることを目的として、この研究を行いました。

私たちがこれまで行ってきた実験から、アブラナ科植物の受けたダメージに応答してITCの濃度が上昇していることがわかりました。そこから、ITCは防御物質としての効果があるのではないかという仮説を立て、それを検証するために、モンシロチョウの幼虫と4種類のアブラナ科植物をシャーレにいれ、その幼虫がどれを食べるのかを調べると、最もITC濃度の低い品種が一番食べられる回数が多いという結果が得られました。この結果からITCはモンシロチョウの幼虫に対して忌避効果があると考えられます。

さらに、モンシロチョウの幼虫のITCを測定してみた結果、高いITCが検出されました。これより、モンシロチョウはアブラナ科植物の持つ防御物質を自らの身を守るために利用していると仮説できます。今後この仮説が正しいか確かめていくつもりです。


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