| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-204 (Poster presentation)

海洋酸性化による巻貝の貝殻形成への影響

*清水啓介, 木元克典 (海洋研究開発機構)

産業革命以後、温暖化や海洋酸性化といった人類がもたらした環境変化による生物への影響は深刻な問題である。そのため、環境変化に対する生物応答とその進化の理解は将来の生態系動態の予測に重要である。しかし、先行研究の多くは表現型に見られる影響の評価にとどまり、その裏側にある遺伝子レベルでの影響は不明瞭である。そこで、本研究では潮間帯に生息するカサガイ(クサイロアオガイ)の発生時における貝殻形成への影響に着目した研究を行った。その結果、高pCO2濃度環境において貝殻形成への影響が観察された一方で、貝殻の初期形成に関わる遺伝子発現への大きな影響は見られなかった。本結果から遺伝子レベルでの影響というよりも貝殻表面での溶解反応による影響が大きい事が明らかとなった。


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