| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-380 (Poster presentation)

北海道北部深海底魚漁場における海中ロボットを用いた底魚資源観察調査

*濱津友紀(水研セ・北水研), 浦環, 西田祐也(九州工業大学), 岡本章裕, 稲葉祥梧(海上技術安全研究所), 濵田顕尚, 吉田星也(オキシーテック), 石田修也, 池田和正(岡本硝子)

北海道北部の深海底魚漁場において、ズワイガニとキチジを対象に海中ロボットを用いた資源調査の開発にむけ、調査手法を検討した。2015年5-6月、北海道北部の日本海~オホーツク海に等深線と直交するように設けた6調査ライン(水深350-750m)で、自律型海中ロボット「ツナサンド」を用いて、底魚類を写真撮影した。観察時刻は日出~日没の間とした。

日本海の忍路海山とオホーツク海の北見大和堆北部の調査点ではズワイガニが計47個体、オホーツク海の北見大和堆東側斜面の2調査点ではキチジが計105尾、それぞれ観察された。観察面積から推定された分布密度はズワイガニが24-97個体/ha、キチジが31-212尾/haであり、従来のトロール調査等による推定値よりも大きな値であった。また、調査ラインを等深線と直交させたことにより、キチジについては水深による分布密度の違いも確認された。したがって、海中ロボットを用いてキチジの分布密度を正確に推定するためには、主分布水深帯を把握した後、等深線方向での分布密度の変化を把握するための航走を実施することが有効であると考えられた。


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