| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-030 (Poster presentation)

ムササビの活動時間の研究 −自作センサーを中心とした測定の試み−

*池谷 友佑, *梶谷 鞠江, *三宅 桃葉, 岡崎 弘幸 (中央大学附属高等学校)

ホオジロムササビ(Petaurista leucogenys)とは、哺乳類齧歯目リス科に属する夜行性動物である。私たちは、ムササビが一年を通して夜間どの時間にどのような行動をしているのかを解明することを目標に、2012年4月から2016年1月までの3年10ヶ月間、高尾山薬王院(東京都八王子市)での野外調査と保護飼育個体での研究を行った。

野外調査では、年間を通じて概ね日没30分後に活動を開始し、一夜の間では日没後1時間前後に活動のピークがあることが分かった。

野外調査は回数を重ねにくく、やや定量性にも欠けるため、保護個体のケージに活動を記録するセンサー装置(2種類)を自作し、年間を通した計測を行った。その結果、活動ピークの時間や活動量には季節変化が見られた。活動開始時刻については、野外調査の結果と違う結果が見られたが、これは飼育下という環境が関連していると示唆される。今後は野外及び実験室での終夜観察を更に強化し、センサーと関連付けた正確な活動内容のデータを得ていきたい。


日本生態学会