| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-035 (Poster presentation)

サシバの秋の渡りにおける飛行戦略Ⅱ―飛行パターンから秋の渡りを考えた―

*松岡 朋寛, *橋本 悠平, 橋越 清一 (愛媛県立南宇和高等学校)

先輩らはサシバの渡りに興味をもち、2013年秋に主に飛行について野外観察し、その結果から簡易風洞実験を行い、さらに2014年秋にサシバの飛行高度及びタカ柱の高度を測定した(藤田ほか,2015;橋越,2015など)。2015年秋には、筆者らが飛行高度の測定や飛行パターンの調査、さらにはトビの飛行や伊良部島のデータをもとにサシバの追い風飛行の可能性について研究し、いくらかの知見を得たので報告した。由良半島(愛媛県愛南町)におけるサシバの秋の渡りの飛行パターンを博翔(PF)、滑翔(G)、ドリフト(D)、帆翔(S)、ヘディング(H)、向かい風飛行(AWF),追い風飛行(FWF)に分けて調査したり、飛行高度を調査したりした結果、サシバは地形や気象条件を巧みに利用して渡っていることや由良半島では風力が増すごとに博翔(PF)と滑翔(G)の割合が減少し、ドリフト(D)が増加することがわかった。しかし、高度については藤田ほか(2015)の結果より低く、今後も検証する必要がある。サシバの追い風飛行(FWF)については、トビの飛行観察や伊良部島へのサシバの飛来数と風向の関係からサシバも追い風飛行(FWF)が可能と考えた。これらの結果から、サシバの秋の渡りの中央ルートの飛行戦略を考察した.


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