| 要旨トップ | ESJ63 自由集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


自由集会 W17 -- 3月22日 17:00-19:00 RoomH

生態学×国際貿易―国境を越える人間生活の生態影響

企画者: 西嶋翔太(横浜国大・環境情報), 今井伸夫(京大・霊長研)

生態系の劣化や生物多様性の減少の直接的な原因はさまざまであるが、元をたどれば人間の消費活動が原因であることが多い。たとえば、農畜産物を食べることは、生産地での富栄養化や森林減少、それらに伴う生物多様性の減少といった生態影響を間接的に助長しているかもしれない。ここで重要なのは、消費の影響が国際貿易を通じて国境を越えるということである。特に我が国は農畜産物や木材の多くを輸入しているため、海外に与える環境負荷は概して大きい。

近年、データの充実や解析技術の進展により、国際貿易による生態系への影響を定量化する試みが増加している。本集会では、そうしたグローバルな試みにおける最新のアプローチと成果について紹介する。本集会の第一の狙いは、遠く離れた国で起こっている熱帯林や生物多様性の減少、窒素汚染といった環境問題が私たちの日々の生活と関係していることを知ってもらうことである。そのうえで、従来の生態学の枠を越えた視点から生態系や生物多様性の保全を考え、生態学者が貢献できる点について活発で有意義な議論をしたい。

コメンテーター:天野達也(ケンブリッジ大)

[W17-1] 国際貿易に伴う環境負荷および生態系評価  金本圭一朗(九大・決断科学)

[W17-2] 窒素フットプリント指標を用いた国際貿易による窒素汚染の評価  種田あずさ(横浜国大・環境情報)

[W17-3] 熱帯林減少の駆動因のマルチスケール解析  今井伸夫(京大・霊長研)

[W17-4] 鳥類の絶滅リスクに基づく木材貿易の生物多様性フットプリント  西嶋翔太(横浜国大・環境情報)


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